「福祉×企業 マッチング事例セミナー」レポート(前半)

2025年3月4日福井駅前ワークラウンジPLAYCE内にあるCreamにて「福祉×企業 マッチング事例セミナー」を開催しました。今回のセミナーは「フクション!」とfucco(福井県クリエイター協会)の共同開催。
ねらいは、福井県内の障がい福祉事業所と企業との幸せなマッチング事例を共有し、さらなる協働に繋げること。福祉×企業×クリエィティブのマッチングを増やし、障がいのある方の賃金向上や、働く喜びを実感できる「幸せ就労」の仕組みをおしすすめることです。福祉施設、企業、クリエーターや保護者の方など32名の方々にご参加いただきました。
「一つの仕事を真面目にすれば外につながり、仕事は湧いて出てくる」
障害福祉サービス事業所「ぴーぷるファン」 理事長 田辺義明 氏
ぴーぷるファンでは一般企業の商品製造ラインの一部を機械ごと移設するという珍しい方法でお仕事を受託されています。はじまりは意外にも企業に勤める同級生を頼っての営業活動だったそうです。当初は内職の請負から。企業とコミュニケーションを深めることで徐々に困りごとを発見。そのひとつが休眠機械の活用でした。
1年に数ヶ月しか稼働してない機械がさまざまな企業に眠っている。そのような機械をいくつか集めると1年を通じての仕事になるのでは?と休眠機器を移設し、施設内での稼働が始まりました。
手探りの中、始めてみてわかったことは、機械は障がいのある利用者さんに優しいということ。障がいの重い方でも仕事ができるということでした。失敗を繰り返しながらも品質向上委員会を設置するなど品質改善、信頼獲得に努め、少しずつ売り上げを伸ばすことができたそうです。
また、進行状況を確認したいので企業内で作業を行って欲しいといった声もあります。その場合は企業に出向いての就労=施設外就労でニーズに答えているとのことでした。
企業の社員の方が、施設の指導員にポイントを説明し、指導員が障がいある方にわかりやすい言葉で説明する。この流れが企業にとっても、利用者さんにとっても働きやすさにつながっているといいます。
さらには市役所に施設への業務優先発注を働きかけ、たけふ菊人形会場の武生中央公園の菊苗を育てる仕事を請け負うことになりました。そこから園内のメンテナンスや清掃も担当。またお弁当やお菓子など自主生産品の販売所も設けることで関係者の目を惹き、その活躍が口コミで広がりました。
特にマッチングといった活動はせずとも、仕事は増えていったそうです。これらの努力の結果、現在工賃は全国平均の5倍を実現しています。「一つの仕事を真面目にすれば外につながり、仕事は湧いて出てくる」田辺理事長の言葉が印象的でした。
後半に続く・・